絶えない事件
病院や介護福祉施設など、医療や社会福祉の現場では暴力事件が絶えません。
どうして暴力事件などが起こってしまうのでしょうか。
>>都立松沢病院職員による患者への暴力について
「謝って済むことではない」
暴力を受けた被害者の方やそのご家族は、そう感じていることでしょう。
いったい、病院は何をするところなのでしょうか。
医療の現場で、ケガを治すどころかケガをさせることがあって良いのでしょうか。
他にもこんな事件があります。
千葉県中央区の病院で起こった事件ですが、男性准看護士が精神科病棟に入院している男性患者に暴行し、頸椎骨折となった事件です。
男性は、2年半年後に死亡しました。
被害男性は統合失調症で入院し、一人用の鍵付きの部屋で生活していたそうです。
入院してから2か月後、男性准看護士が2人、着替えなどの介助をした際に男性患者を床に押さえつけてあおむけにし、男性の頭部を60代准看護士が踏みつけたそうです。
男性患者は頸椎を骨折して、その後自力呼吸ができず一時心肺停止になりました。
その後寝たきりとなり、2年半後心不全で死亡しました。
親族は県警に通報。
傷害容疑で被害届を受理し、観察モニターの映像の分析結果、暴行が死亡原因であることが判明しました。
暴力と介助のさかいめ
たとえば、認知症が激しい方に着替えなどの介助をしようとすると、激しく暴れることがあります。
患者様は私たち看護師を、「誰だかわからない」そう感じているのだと判断し、ケガをしないよう体を押さえつけることがあります。
認知症の方に限らず、精神の病を抱えている方にも同じです。
それは介助であって、暴力ではありません。
ですが、頭部を踏みつけるなどは体の抑制の一連の行為ではありません。
介助ではなく、ただの暴力です。
「患者が暴言を吐き続けて腹がたった」
「患者の方が力が強かったからおとなしくさせるため」
どちらも、暴力をふるう理由にはなりません。
この事件は目に見えるケガを与えた暴力ですが、暴力の中には目に見えない暴力もあります。
言葉の暴力
暴言や誹謗中傷など、言葉の暴力は受けた本人にしかわからないものです。
言葉の暴力によって精神の病にかかり、自らの命をたったという事件もあります。
目に見える暴力はまだ、良いほうです。
あってはいけないことですが、やはり言葉の暴力よりもましだといえるのではないでしょうか。
「死ね」なんてひどい言葉を使えば、今や問題に問われる時代です。
昔はよかったかもしれませんが、今は精神の病にかかる方は多いですから。
患者第一な病院で、一体何が起こっているのでしょうか。
千葉県の事件は「准看護師」が起こした事件です。
看護師は国家資格ですが、准看護師は都道府県知事が発行する資格でなることができます。
やはり、准が付くと質の低い看護師となるのか。
医療の現場で働く以上、資格や給与、勤務時間など関係なく、ひとりひとりが責任を持って勤めてほしいものですね。