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総辞職

看護師総辞職、現場ストレスの問題

まず現場の視点から

学校や医療、その他子供さんが関係する機関で言えることですが、最近では「モンスターペアレント」が増えているという傾向にありますよね。
子供のことですから仕方がないかもしれませんが、ちょっと過激になっているのだとか。
少し例を挙げますね。

勉強はできないけど絵がすごく上手な女児生徒に対して、教師が「すごいね!将来画家になれるかもしれないね!」と褒めたところ。
その女児生徒の親御さんが学校へ怒鳴り込みに来て、「娘の将来を勝手に決めるな!」と教師を罵ったというケースがあります。
他にも、学校の給食を残してしまうから「好き嫌いはやめなさい」と優しく指導していたところ、「誰だって好き嫌いくらいはあるから、給食を全部残そうが食事指導はやめてくれ」と怒鳴る親御さんもいます。

ちょっと行き過ぎた過保護。
過干渉や過保護による、アダルトチルドレンという大人になっても精神的には子供のままという方も増えていますから、行き過ぎた親の愛情には少し疑問を感じます。

なぜこういう話をするのかというと、看護師が現場のストレスで一斉に辞職したというニュースがあったからです。
それは、鳥取県にある養護学校での出来事でした。

児童の保護者からのストレス?

鳥取県の養護学校で、医療的ケアを担う看護師が6名一斉に辞職し、児童らが学校へ行けなくなるという事態が起こりました。
児童は全員で76名、うちケアが必要な生徒は9名います。

以前からその学校は、要員不足の事情を抱えていました。
そのせいでケアの一部が遅れ、保護者からは批判を受けたとのこと。

ある日、授業終了後に看護師職員が全員辞職の意向を伝え、その中の看護師一人は保護者から威圧的な言動を繰り返し受けたと訴えました。
内容についてはケアが一部遅れたことについてです。
他の5人もそれで不安を募らせていたのだとか。

医療的ケアを必要とする児童が増え、さらには人員不足、ケアミス、そしてモンスターからの攻撃。
看護師も一人の人間ですから、他人よりも自分を守るのは当たり前です。
命を捨ててまで誰だって働きたくはありませんからね。

私としては、保護者の方の気持ち、そして医療従事者の立場としての気持ちも両方理解することができます。
ケアが遅れたのは誰のせい?その看護師一人のせいでは、少なからずないと言えるでしょう。

では、どうすれば良かったのか。
問題点を挙げるとすれば、やはり看護師不足な状態が続いているという医療全般の課題になってくるわけです。

一概に保護者がモンスターだ!ともいえませんし、看護師が悪い!ともいえません。
子供たちのために看護師が我慢をしなければいけない、それも違いますよね。

根本的な学校の運営を見直すべき、そう考えます。
都道府県全体が、施設運営のための人員確保、医療設備の調整などを行い、ケアが行き届く環境を作ることは必然であると言えます。

誰一人として亡くなられてはいない状態。
急を要する事態ではないかもしれません。
ですが、一番困っている子供たちは看護師のせいで学校へ行けなくなり、看護師たちは親御さんのせいで働けなくなりました。
親御さんは施設のせいで子供たちへの不安を大きく募らせてしまいました。

こんな悪循環ばかり続いていては、いくら技術が進歩したと言っても、無意味です。
とにかく人員の確保が先決、そして学校の運営方法をしっかりと見直してほしいものです。

薬

薬は転売しちゃいけません

何のための処方なのか

処方薬とは、お医者さんがその患者さんに合わせて「処方」したお薬のこと。
処方箋がなければ入手することができませんし、取り扱いをしている薬局も限られています。

調合しなければいけない薬は調合薬局でのみ取り扱っていますし、近くに調合薬局がない場合は、取り寄せる処方薬などもあります。
処方薬は、一般のドラッグストアやネット通販などでは購入することができません。
ですが、この処方薬を転売して儲けていたという事件があります。

処方薬を医師の許可なく販売したとして、無職の方が逮捕されています。
大阪府県警によると、容疑者は国民健康保険を使って、近畿の病院約164か所で受診。

処方箋をもらい薬局でぜんそく用の薬を購入し、転売していたそうです。
約5700個の薬を転売し、その利益は1千万円以上だとか。

集めた処方薬24個を医薬品販売会社に10万円で販売し、その言い分として販売ではなく容疑者の薬の余ったものを引き取ってもらったとして容疑を否認しています。
容疑者は実際にぜんそくの持病があり、受診、購入、転売を繰り返していた様子。

診察料と薬代のうち3割は自己負担分として自分で支払います。
ですが、7割は国保から出されます。

国民健康保険の加入は、国の負担や保険料などで賄われています。
主に、市町村が不正がないかを確認しています。
容疑者が保険料を納めていた大阪府松原市の担当者は個人の不正は想定外であったとして、再発防止策を検討する見込みをたてています。

昔からなくならない転売という犯罪

転売は昔からも行われています。
医療関係でも問題視されていることですし、一番多いのは眠剤系の転売でした。

一昔前には、眠剤系の1錠1万円もする薬を処方し、転売されたという事件があります。
処方される処方内容や残薬などは必ずチェックする、これは医療関係者としては当たり前のことです。

医療の現場では、個人の「残薬問題」が少なからず昔からあります。
残った薬をどうするか?もう捨てるしかありません。
でも、その薬を必要としている方もいる。

そう考えて転売をする方がいなくならないのです。
今回の事件の売り上げ1千万円はかなりの額ですが、余った薬をちょっと売るだけでも小遣い稼ぎ程度になりますからね。
絶対にまねしてほしくない犯罪ですが、もし薬を無許可で転売したら逮捕されてしまうのでご注意を。

医療

医療は日進月歩ですね

最新技術は素晴らしい

寝たきりや脳死で意識不明の方など、病気や障害のせいで自力呼吸ができずに、口から入れた管や、のどを切開して人工呼吸器をつけている患者さんは、たまった「たん」を自分で出すことができません。
時に、たんがでない人もいますが、絶対にたんは溜まっていくものです。

チューブを機関に挿入して痰を吸引する必要があります。
吸引する際には人工呼吸器を外すために、患者さんは苦しい思いをします。

そのため、吸引の際には手際よく作業しなければいけませんし、ちょっとでもミスをすれば患者さんの命の危険を及ぼしてしまう可能性があります。
これは、24時間体制で行わなければいけないケアです。

自宅で介護をする家族にとっても、これはかなり負担のかかるケアです。
夜中にたびたび行わなければいけないのは、睡眠を妨げ、忘れてしまうとのどに詰まらせ危険な状態になってしまうかもしれません。

そこで開発された機器が、呼吸器を外さずに痰を自動で吸引できる機器です。
九州保健福祉大学が開発を行い、研究グループが発表を行いました。

痰を自動で吸引できる仕組み

研究グループによると、センサーで痰の有無を自動判断し、中が2層に分かれているチューブを用いて吸引するとのものです。

2016年を目処に製品化を目指していて、患者と介護者、双方の負担軽減ができることが期待されています。
痰の自動吸引装置は、筋萎縮性側索硬化症の患者さんを対象に大分県の薬事承認を受けた企業が2010年までに製品化しています。
これまでおよそ850台が販売されています。

今回開発された装置は、どんな人工呼吸器にも対応していて、真空ポンプを使い個人個人の呼吸に合わせて無理なく痰を吸引することができます。
現在は、口からの管で開発を進めていますが、気管切開でも仕様が可能にできるように計画が進められています。

教授よれば、まずは病院に導入して、看護師に使い勝手を確認してもらったうえで、在宅でも使用できるようにしたいとのこと。
看護師から言わせていただくと痰の自動吸引など夢のような話です。
痰の吸引はとても大変なケアです。
しかも、かなり高度なテクニックが必要な行為のため、ベテランの看護師でも苦戦するほど。

今は呼吸器の管を通り吸引することができて、呼吸器を外さなくても良いというものが登場し、まだ楽になりました。
ですが、「自動で吸引」なんて素晴らしい機器だと思います。

患者さんのご家族も、在宅でケアをされている方も安心でしょうし、しっかり不良のないよう製品化され、世に広まってほしいですね。
こういった機器が次々と開発されると、時代の流れは素晴らしいと感じます。

ですが、医療の現場に勤めている者ならだれでも思うでしょう。
機器に頼りすぎてはいけない、と。

機器に頼りすぎて、機器なしでは看護することができないケアも多々あります。
何か起こったとき、機器なしでも治療や最大限のケアができるように、知識と経験だけは忘れず初心の心で看護をいっていきたいですね。
それと同時に、こういった発明はとても素晴らしいものだと思います。