カルテの開示

カルテの開示、場合に応じて

医療事故が起こったらどうする?

皆さんの周りでは、医療事故が起こったことがありますか?
医療事故など、医療界ではあってはならない出来事ですが、仕方がなく起こってしまうものがあったり、予期せぬ事態が起こることだってあります。

そこで、患者の皆さまや患者のご家族の方が、どう対処すべきなのか?
医療事故=訴訟うんぬんの話になってしまいます。
そこで重要な存在が「カルテ」です。

患者にどういった治療を施したのか?
どういった薬を処方したのか。

医者や看護師が行った治療がすべて記載されている、個人情報の一つです。
このカルテを、「開示することができる」という権利を、患者の皆さんの中には知らない方も多いのです。

医療事故が起こったら、まずはカルテ開示を求め、「セカンド・オピニオン」と呼ばれる「他の医師の話を聞く」ということをします。
ちょっと良いイメージは持てないかもしれませんが、セカンド・オピニオンを行うことによって医療事故をしっかり解明できるのです。

カルテ開示は悪いことではない

場合に応じてカルテを開示しなければいけない。
そんな医療機関の義務を患者が把握できていない状況がニュースに取り上げられています。

カルテ開示によって、治療内容や治療の方針がわかればとてもメリットです。
医療事故が起こっている、起こっていないにしろどちらでもカルテ開示はメリットが多いといえます。

カルテの開示やセカンド・オピニオンに対して、否定的な医師もたくさんいます。
患者は、主治医の機嫌を損ねてしまう行為だと認知している方も多いでしょう。

全くそんなことはありませんよ。
カルテ開示で機嫌を悪くする医師など、ただの怠慢医師です。
決して悪いことではないということを理解して頂きたいと思っています。

どうやって普及していくか

ある調査結果によると、カルテ開示の義務があることを知らないと答えた患者は42パーセントにものぼっています。
開示を要求したことがあると答えたのはわずか6パーセントほど。

これは患者が持つ権利なのですから、開示することでデメリットが起こる、なんてことがあってはいけないのです。
セカンド・オピニオンは常識でなければいけないのです。
どうやって普及していくかが今後の課題です。

やはり単刀直入にいえば、看護師、または医師が直接患者様に対して「開示ができる」と伝える方法が手っ取り早いといえます。
医師が自ら、カルテ開示を承諾すれば快く思っているということを理解して頂けるでしょう。

でも、カルテ開示などめったなことがない限り必要ない。
そう考えている医師も多いので難しいところ。
国の政策として「カルテ開示・セカンドオピニオンの普及」を行ってほしいものですね。

医者

情報共有ミスで患者を放置

ガンを放置したらどうなると思う?

医療業界の怠慢さが表だってしまったこのニュース。
2年以上もがん治療を放置し、リンパ節に転移してしまったという新潟県中央病院での出来事。

新潟県中央病院では、食道がんと判明した80代男性の治療が、2年5か月以上放置されていたことを発表しました。
この間、男性の食道がんは進行し、リンパ節にも手にしてしまっていました。

男性は入院し現在も治療を受けていますが、なぜ2年以上もの間放置されてしまったのか。
それは、内科医が主治医へ内視鏡検査の結果を情報共有できていなかったことが原因だと判明しています。

同じミスを立て続けに

この病院では2001年にも同じミスをしています。
しかもその時の患者は死亡してしまっています。

昔は、カルテはすべて紙でした。
病院によって、診療科別のカルテが存在していましたが、各診療科は自分の治療内容はわかるけど他の科はわからないという状況です。
薬の重複や同じ検査を繰り返すなどの問題が起こっていました。

法的な縛りでいえば、カルテの保管は5年間と決められており、5年が過ぎると破棄する病院もあります。
長く来院し続けている患者はかなりのカルテがあります。
そこで、電子カルテというものが登場し、今やその問題を解決してくれています。

とても便利な電子カルテというものが存在する今の時代。
どうして情報共有ミスが起こってしまうのでしょうか。

原因の根本を考える

その病院が紙のカルテなのか?
それとも電子カルテなのか?はわかりませんが、内科医が主治医に言い忘れたなんて、「同じ家に住んでいるのに、言い忘れてしまった」なんてよくある一般家庭で出来事のような軽さ。
あまりにも情報共有を怠っていたことの怠慢さが明るみになっています。

思い込みや、言い忘れ、度忘れ、「ちょっとしたミス」程度なら許されるかもしれません。
でも、医療業界では「ちょっとしたミス」で命を落としてしまう方もいます。
こればかりはミスという言葉では許されない出来事。

根本的な原因は、もはや「責任のなさ」しか言いようがありません。
一人一人、自分の仕事には責任を持つこと。
人の命がかかっているのだとしっかり理解すること。

初心を忘れずに、ただの流れ作業だと考えずに。
いつまでも人の役に立つ医療従事者として活躍していきたいですね。

総辞職

看護師総辞職、現場ストレスの問題

まず現場の視点から

学校や医療、その他子供さんが関係する機関で言えることですが、最近では「モンスターペアレント」が増えているという傾向にありますよね。
子供のことですから仕方がないかもしれませんが、ちょっと過激になっているのだとか。
少し例を挙げますね。

勉強はできないけど絵がすごく上手な女児生徒に対して、教師が「すごいね!将来画家になれるかもしれないね!」と褒めたところ。
その女児生徒の親御さんが学校へ怒鳴り込みに来て、「娘の将来を勝手に決めるな!」と教師を罵ったというケースがあります。
他にも、学校の給食を残してしまうから「好き嫌いはやめなさい」と優しく指導していたところ、「誰だって好き嫌いくらいはあるから、給食を全部残そうが食事指導はやめてくれ」と怒鳴る親御さんもいます。

ちょっと行き過ぎた過保護。
過干渉や過保護による、アダルトチルドレンという大人になっても精神的には子供のままという方も増えていますから、行き過ぎた親の愛情には少し疑問を感じます。

なぜこういう話をするのかというと、看護師が現場のストレスで一斉に辞職したというニュースがあったからです。
それは、鳥取県にある養護学校での出来事でした。

児童の保護者からのストレス?

鳥取県の養護学校で、医療的ケアを担う看護師が6名一斉に辞職し、児童らが学校へ行けなくなるという事態が起こりました。
児童は全員で76名、うちケアが必要な生徒は9名います。

以前からその学校は、要員不足の事情を抱えていました。
そのせいでケアの一部が遅れ、保護者からは批判を受けたとのこと。

ある日、授業終了後に看護師職員が全員辞職の意向を伝え、その中の看護師一人は保護者から威圧的な言動を繰り返し受けたと訴えました。
内容についてはケアが一部遅れたことについてです。
他の5人もそれで不安を募らせていたのだとか。

医療的ケアを必要とする児童が増え、さらには人員不足、ケアミス、そしてモンスターからの攻撃。
看護師も一人の人間ですから、他人よりも自分を守るのは当たり前です。
命を捨ててまで誰だって働きたくはありませんからね。

私としては、保護者の方の気持ち、そして医療従事者の立場としての気持ちも両方理解することができます。
ケアが遅れたのは誰のせい?その看護師一人のせいでは、少なからずないと言えるでしょう。

では、どうすれば良かったのか。
問題点を挙げるとすれば、やはり看護師不足な状態が続いているという医療全般の課題になってくるわけです。

一概に保護者がモンスターだ!ともいえませんし、看護師が悪い!ともいえません。
子供たちのために看護師が我慢をしなければいけない、それも違いますよね。

根本的な学校の運営を見直すべき、そう考えます。
都道府県全体が、施設運営のための人員確保、医療設備の調整などを行い、ケアが行き届く環境を作ることは必然であると言えます。

誰一人として亡くなられてはいない状態。
急を要する事態ではないかもしれません。
ですが、一番困っている子供たちは看護師のせいで学校へ行けなくなり、看護師たちは親御さんのせいで働けなくなりました。
親御さんは施設のせいで子供たちへの不安を大きく募らせてしまいました。

こんな悪循環ばかり続いていては、いくら技術が進歩したと言っても、無意味です。
とにかく人員の確保が先決、そして学校の運営方法をしっかりと見直してほしいものです。

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